STAY HOME 読書 そして、バトンは渡された
今年のゴールデンウィーク、家でできることをして過ごしました。そのなかでNo.1は、
瀬尾まいこ作
そして、バトンは渡された
一気に読んでしまいました。時間がたつのも忘れ、気づいたら夜中の12時過ぎていて。それほど夢中になったのは久しぶりかも。本の世界に引きずり込まれた感じで、不思議な感覚でした。
登場人物は
主人公 優子
義母 梨花
3番目の義父 森宮さん
実父 水戸さん
2番目の義父 泉が原さん
優子の夫になる人 早瀬くん
優子は血の繋がらない親の間をリレーされ、4回も名字が変わった。さぞ辛い生い立ちだろうと誰もが思いがちだが、彼女はいつも愛されていた。
そのバトンのキーマンは、梨花さん。
お金を使いすぎてしまって娘に注意されるなど頼りないところはあるけど、優子には親としてどんな人が必要かを最優先に考えて、バトンの先を決めてきた。いつまでも元気で、優子のことを堅実にみてくれる人。
親になるって、未来が二倍以上になることだよ。明日が2つになるなんてすごいことだと思わない?
梨花のことば。この言葉で、森宮さんは優子の父親になることを決めたのでは。一流企業で働くことにマンネリを感じていたときだった。父親という役割を一生懸命果たして
自分以外の未来に手が触れられる毎日を手放すなんて考えられない
と、生き甲斐を感じている。
もう一人、私にとってはずせないのが、早瀬くん。優子の高校の同級生。子どもの頃からピアノをしていた。高校生の時、合唱祭のピアノ伴奏の練習で優子と出会う。音大に進むも、ピアノを突き詰めることに苦しくなり、ピザの修行でイタリアへ、ハンバーグの修行でアメリカへ行ってしまうような人。優子との結婚を決めたときはレストランの料理人だったが、結局ピアノに戻る。優子が方向転換させた。
ピザなんて焼いてる場合じゃない。ピザは私でも焼ける。でも、絶望に覆われそうな心を穏やかに包む音色を奏でられるのは早瀬くんしかいない。
この本を読破して、考えさせられたことは2つ。
1 親になることの解釈 未来が二倍になる
2 人生の方向性を決めるとき、その人だからできること、ものを持っているならそれを生かすべき。
たとえ、遠回りをしても。
ピアノひいたり、家の仕事したり、マスク作ったりもしましたが、小説の世界に行けたことが至福の時でした。