休日の充実

休日を充実させるために行動したことを綴ります

読書 眉山

さだまさし作で、映画化されたことも知っていました。でも、読んだことなかった。
これは、女性の生きざまを描いた作品です。
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主人公、咲子は東京の旅行会社で働いている。母、龍子は徳島で独り暮らし。やり手の飲み屋のママ。ある時、母が末期がんであることがわかる。それを期に咲子は徳島に戻る。

咲子に父親はいない。母が一人で産んで、相手に一切迷惑をかけないと覚悟を決めて育てた。
この母の覚悟かすごい。曲がったことが大嫌いで、地位や名誉で人を判断せず、情にあつい世話好きな人。はっきりものを言う。カッコいい。死を目前にしたとき、阿波おどりの場で咲子の父とすれ違うシーンがあるが、一切視線を会わさず通りすぎた。

生きざまがカッコいい。ぶれない。だから、龍子の周りには人が集まる。表面的な繋がりでなく、心からの信頼関係で。
その彼女が自分の死後、献体することを決めていた。なぜそうしたなのか。最後にわかる。

私、このところ気分が沈んでいたのですが、この本を読んで、龍子さんの生きざまにふれ、周りの評価など気にせず、動じることなく生きていきたいなと改めて思いました。いいやん、人にどう思われようと。と、頭ではわかっているけど、割りきれないところもあり、うじうじしています。でも、読んだその時はちょっと気が晴れたような感じになりました。

小説っていいですね。その世界に入れるし、モヤモヤした気持ちを消化してくれることもあります。

次に読む本は、
夏川草介作 始まりの木