映画 マチネの終わりに
未来が過去を変える。
これが、この映画のキーワードだと思った。
普通に考えれば、
過去が未来をつくる、とか、
過去は変えられない、とか、なりそうですが。
要所で何度も出てきました。
主人公のギタリストがステージで演奏を途中でやめてしまった、その夜、ジャーナリストの女性に話すとき。師匠の追悼アルバムを製作したその中に記された言葉として。などなど。
どういう意味なのか、考えていました。映画の中で、4年の演奏休止期間がありました。そのときはつらい苦しい時間だったでしょうが、復帰ライブを終えたとき、その4年があったからこその音色や解釈が表現されたことで意味のあるものに、肯定できるものに変わりました。
過去の事実は変えられないかもしれないけれど、意味や解釈は変えられる、そういうことか、と思いました。そういえば、陸上の為末大が、同じことを言っていたことを思い出しました。
私にもそれはありますね。家庭内でも、仕事でも。
とても言葉が響く、そして残る映画でした。
孤独は、人に影響を与えられなくなること。
これも頭から離れませんでした。人は誰の役に立つことが必要なんだろうと思います。
急に思いついて、映画館に出かけましたが、とても有意義な時間になりました。